瓶ケ森。
この山は雲海が出やすいと聞いて四国まで来た。
まだ暗い時間から山頂を目指し登山する。
気温は3度だ。
寒さのせいか早朝のせいか分からないが、いつもより登りが辛い。
私の前で登っておられる老夫婦からもフウフウと苦しそうな息使いが聞こえる。
ご主人はより苦しそうで、時折、奥さんに励まされながら登っておられた。
追い抜かそうかどうか考えながら白み始めた空を見て来た道を振り返ると・・・。
雲海が出てるっ!
ワクワクが止まらず「すいませーん」と老夫婦を押しのけるようにして山頂に駆け出した。
山頂は凄かった。
濃から淡へ。青色のグラデーションが頭上で1秒ごとに変化する。
足元には見たかった雲海があった。
そして雲の隙間からご来光が差すとこのような景色に✨
登山者全員が赤く照らされた。
周りの登山者からワッと歓声があがる。
「頑張って登って良かったな、お父さん。」
さっきの老夫婦もいつの間にか私の横におられた。
奥さんがご主人の背中をさすりながら朝日とご主人を交互に見ていた。
朝日に照らされた赤い顔が優しかった。
美しすぎるご来光は、押しのけた私にも優しい奥さんにも等しく降り注いだ。
もし、この光にご利益とか開運があるのならば、私のぶんはこの老夫婦に渡して下さい。と心の中でお祈りし、澄み切った冷たい空気を胸いっぱい吸い込み、下山したのでした。
そして・・・。
来ちゃいました!!
亀ケ森の山頂で雲海に浮かんでいた山は石槌山でした。
あの雄々しい山にも登ろうということになり、
急遽、下山からの登山になった🤯
我がパーティーは勇者ぞろいで危険な崖も次々クリアしていく。
私だけ一般ルートで安全に山頂へ✊
ここでも美しい絶景と雲海に出会えた。
しんどかったけど、身も心も浄化された登山でした。